NTT(日本電信電話会社)の株は100%政府所有でしたが、1986年にその一部を得たい人が多くて抽選しました。87年2月に上場(後述)されると見る見る値上がりし、4月、5月には320万円近くになった。11月の第2次放出の価格は225万円。しかし12月には2百万円近くまで下がった。わずかな期間に1株で2百万円近くもうけた人も百万円を損した人も出ました。このように株の値動きは、一般商品よりも激しい。株とは株式会社の出資単位のこと。その単位金額を額面と言います。82年10月以降の新設会社では、最低5万円。それ以前に設立の会社では額面50円というのが多いのですが、株式の単位は千株分、5万円とされています。株式会社はその資本を株という小口の単位に分割して出資者を募ります。集まったおカネがひとまとまりとなって資本を構成するわけです。縁故の範囲だけで出資を募る場合もありますが、大きな資本をつくるにはそれではムリで、公開で誰でもどうぞと呼びかけなければなりません。そのために証券取引所という組織化された市場が作られています。
経済企画庁の調査によると、有望な新技術はたくさんあります。今世紀中に実用化されそうなのは、バイオセンサー、セラミックスガスタービン、高効率ヒートポンプなどです。2010年までには、スーパーインテリジェントチップ、リニアモーターカー、アクアロボット、二酸化炭素処分技術などが実用段階に入ると専門家は予想しています。バラ色の予測がある一方で、日本の科学技術開発の前途を危ぶむ声もあります。日本の研究開発は応用・開発技術に偏っており、基礎研究はいぜん貧弱です。研究費は増加していますが、そのうち4〜6割は人件費です。最近は、若者の科学技術への関心が薄れており、理工系大学を志望する高校生が減ってきていると心配している人もいます。日本の科学技術開発の質を高めていくには、研究者の待遇を改善し、優秀な人材を集めなければなりません。創造的な技術を開発して、世界経済の発展に貢献していくのが日本の使命です。その意味でも、老朽化が目立つ大学の研究施設を早く改善してほしい、と研究者たちは訴えています。
1996年6月2日、日本の放送業界を荒天動地のニュースが駆け巡った。テレビ朝日の株式を世界的なメディア企業ニュース社が買収する計画が発表されたからだ。この事件に日本の放送業界が動揺するのには理由がある。ニュース社のオーナーが、かのメディア王ルパートーマードックだからだ。ルパートーマードック(RupertMurdoch)は、1931年にオーストラリアの地方新聞社主の長男として生まれ、父からひき継いだ事業を拡大すると、69年に英国に進出。ロンドンの赤字タブロイド紙「サン」を、ヌード写真とゴシップ記事で英紙最高の収益率を誇る新聞に再建。余勢をかって北米へ打って出る。85年、ハリウッドのメジャー・スタジオのひとつである20世紀フォックス映画を人手し、そのソフトを利用して87年、フォックスTVを開設して、放送事業に乗りだす。以後、わずか10年余りの間に、フォックスを米国の歴史ある3大ネットワークに比肩する第4番目のネットワークに育てあげるとともに、英国でも衛星放送のBスカイBを成功させた。