モバイルは、それを象徴するものだ。モバイルは、個人の単位で情報をためるツールだが、それが企業へも影響を及ぼそうとしている。ビジネスにモバイルが導入されるようになって何か起こったか。顧客からの電話が、会社よりもむしろモバイルのほうヘシフトし、価値のない情報ほど会社に送られるという現象が起きている。読まれることのない多量の資料や会社の慶弔関係の連絡などが送られてくる場所が会社になるのだ。ビジネス上もっとも重要度の高い情報の交換は、次々と個人の世界ヘシフトし、そこでその人がどういう固有性を持っているか、どういうネットワークでその人の付加価値が生まれているのかという情報が、モバイルを通して個人のパソコンの中に蓄積されていくことになる。企業よりも個人のトランザクション(取り扱い、交換)のほうが、本質的な付加価値を持ってくるのである。
百科事典では、ある項目についていく通りもの記述が並ぶので、いったいどれを選べばよいのかわからない、ということが問題となりそうです。百科事典というのは、ものを知らないから引くのに、どの記述が正しいかをまず選ばなければならないというのでは、使い物にならないのではないか、という心配もでてきそうです。この点は、あまり心配いらないのではないかと思います。それはなぜかというと、私たちが普通の事典や辞典を使うときでも、最初にいろいろな情報をもとに、選択をしていることを思い浮かべるからです。いろいろな事典があった時に、判断の基準はさまざまでしょう。A社の監修者のほうが偉そうだとか、B社のほうが信頼性の高い出版社だとか、C社のをみんなもっているとか、D社は独特の編集方針だとか。インターネットの百科事典は、いわば従来の選択肢を大きく広げたものだといえます。そして、同時に従来のような判断基準よりも多種多様なデータを提供できます。
フルサービスの証券会社と違って、ネット証券は個人が複数の証券会社に口座を開設するのは容易だから、仮に一人の個人投資家が三つの証券会社に口座を持っているとすると、ネットで株式の取引をしている個人(ネットトレーダー)は、150万人から200万人程度と推定される。もっとも、営業マンの存在しないネット証券は情報提供サービスが充実してきたとはいえ、基本的に自己責任での取引で、それがフルサービスの証券会社との手数料の違いとも言える。ただ、それにしても、個人投資家の90%はネット証券会社の利用者だとされるから、個人投資家がネット証券を介して有価証券を売買するのは、日本でも完全に定着した。これからのネット証券は委託売買手数料の大幅ディスカウントによって、10年足らずの間に急成長を遂げてきた。