簡単な治療法のボトックスですが、注射の打ち方によっていろいろな効果も出せる半面、いろいろな不都合も起こりえます。たとえば、ひたいのシワを治すと、眉毛が下がってまぶたがはれぼったく見えるようになったり、眉じりがつり上がったりするなど表情に変化が出ることもあります。口が開きにくかったり、上まぶたがたれたりする症状がある人(眼瞼下垂)では、ひたいのしわをとるためにボトックスでひたいの筋肉の働きを止めてしまうと、眉毛を持ち上げて目を開ける補助をしていたのが、眉毛が持ち上げられなくなるので、さらに目が開きにくくなって、まぶたが重くうっとうしさを感じることもあります。私も自分のひたいにボトックス注射をしてみましたが、私の場合は2週間くらい、ひたいが張りついたような違和感がありました。また、眉毛の外側がつり上がるように打ったので、元気そうに見える半面、「こわく見える」と言われたこともあります。そこで2回目以降は眉毛がつり上がらないように注射しています。ただ、万が一そのような弊害が生じても、ボトックスの効果は2〜3ヵ月で切れてきて必ず元に戻ります。その次から弊害が出ないように自分に合った注射の打ち方にすればよいのです。
肥満の原因となる遺伝子の異常の1つに、β3アドレナリン受容体の異常というものも解明されはじめています。体の内外からの刺激に反応し、人間の生命維持機能を訓節しているのが自律神経です。自律神経には交感神経と刷交感神経の2つがあり、互いに補い合って機能しています。昼間、交感神経の働きが活発になると、熱が発生して体温が上昇します。このとき、褐色脂肪細胞の表面にあるβ3受容体にアドレナリンというホルモンが結合して熱が発生し、白色脂肪細胞では、なかにたくわえられている中性脂肪が分解されます。しかし、最近、日本人の5人に1人の割合で、このβ3アドレナリン受容体の異常が発見されています。この異常があると、交感神経の刺激があっても体温が上がりにくくなり、脂肪も分解されにくくなるので、それだけ太りやすいということになります。このように、肥満と遺伝との関係は2つの視点から考えることができますが、だからといってダイエットをしても無駄だとあきらめないでください。あくまでも、遺伝が肥満に関与するのは3割程度で、あとの7割は摂取カロリーが過剰であるなどの生活習慣が原因の肥満です。遺伝の影響はそれほど大きくないということです。
心筋梗塞を起こした患者を対象に食事指導した場合、リノール酸を多く含む油を食した患者のほうが、α−リノレン酸を食した患者に比べ、心臓死や心疾患の発生率が高かったというデータがある。同じような結果は、動物を使った実験でも証明された。ある一定の期間、グループごとに、それぞれ違う性質を持つ油を混ぜたエサを与える。その後人為的に心臓にショックを与えると、リノール酸の油を与えたグループの生存率がもっとも低かったのだ。こういった実験を踏まえ、リノール酸は、一般的に考えられていたよりコレステロール値が下がらない、過剰にとるとがん細胞を成長させる、胆石をつくりやすくする、アレルギーを起こしやすいなど、数々の副作用が報告されるようになったのである。